Neetalive’s diary

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富野監督が間違っていたこと、現代でアニメを作るには

富野監督は機動戦士ガンダムイデオンの監督をやっていたことで知られている。ゲーテのヴィルヘルムマイスターの修行時代のように物事をひとつづつ乗り越えていくように話を進めている。ここでいつも出てくるのは戦争で、登場人物同士の感情的対立だ。なにかと皮肉を言ったり、毒づいたりしている。

1980年代までの歴史を見てみると、第二次大戦が40年前に会って戦争経験者が多く生きていたし、ベトナム戦争も終わったばっかりだった。それに東京では人口が増えるにつれて殺人や軽犯罪が前よりかは増えていたらしい。それに事故で死ぬ人が今よりも多かった。そういったことを基に殺伐とした状況を書いていたかもしれない。

現代はどうか?現代はまず自分が殺人事件の当事者になることはない。

地域紛争があるし、テロリズムがまだあるというかもしれないがそれらによる死者の数は圧倒的に少なくなった。

これによればイラク戦争で亡くなったアメリカ兵は5000人弱。ベトナム戦争と比べても五分の一以下だ。民間人の死者といっても他の戦争よりも圧倒的に少ない。少なくとも人口構成を激変させるほどの影響はいまだにない。確かに年間365件なにか悲惨なことがあれば、一日に一度悲惨なニュースを目にするかもしれないが統計上は理不尽な死が減っているのだ。

こういうのを考えていると我々は生まれ持った平和主義者なのだというのがわかるだろう。特に都市に住んでいれば自分が平和主義者であることが実感できる。犯罪はまず目にしないし、あっても車に関連したものが多い。だから日常を描いたアニメというのは実情を反映したものかもしれない。

現状を無条件に肯定しているわけではないが、世の中が格段に平和になっていることを踏まえたアニメーションというのはあるのだろうか?異世界とか、学生生活とかはもうおなかいっぱいだ。なにかないものか。