Neetalive’s diary

読んだ本の紹介や雑記

ちゃんと動くルール

道徳的感情が問題になることが多いので、考えをまとめておくか。ルールというのは宝石のようにあがめるものでもないし、不変のものでもない。適応の一種だろう。孤立したものではなく互いのかかわりの中から生まれるものだろう。なので共通のルールが見るに堪えないものならそれぞれの個人に道徳的にかなった行動を求めるのはおかしいということになる。

よく個人に責任があるように言うのがいるが、それは直感的にそう思い込んでいるだけなのであって事実は違う。肥満は肥満を引き起こしやすい環境がそうさせているのと同じように。ルールは単独では機能しない以上、ルールの基礎になった背景とか、解釈の歴史とかになにかがあるということだ。

それに統計的誤差というのも理解しておいたほうがいいだろう。設計ができてもミスはある。これをゼロにするのは人の身長をすべて同じようにすることと同じくらい難しい。遺伝的な違いを無視しているから。これが結構効果がある。糖尿病にしろ、寿命にしろ。

何をもって状況を判断するかは価値判断があり、ルールには何かしらの理由があって、鉄のようなものではないことは理解しておいたほうがいいだろう。本能もこれと似ている。確かにホルモンレベルでは本能は存在するかもしれない。だが認識のレベルでは?そうではないだろう。本人が思っている以上にルールも本能もあいまいだ。