Neetalive’s diary

読んだ本の紹介や雑記

小飼弾の論壇

小飼弾の論壇は本の紹介をしてくれたり、だれかと対談してくれる番組だ。弾さんのことはperlを漁っていたら知っていたのだが、ニコニコで番組を持っていたのは知らなかった。対談した人の中に本を書くひとがいたのでそこから得るものが多かった。

 

 

 

アンダーグラウンド・マーケット (朝日文庫)
 

 

 

ビッグデータ・コネクト (文春文庫)
 

 藤井氏のsf。彼はコードを書いたことがある人で、コンピューターネットワークを物語のギミックに結構使っている。読み進めると止まらないような文章だ。オービタルクラウドでは現実に存在する中東の政情不安と他国でくすぶっている人々が組み合わさり危機が起こっていく。全地球規模の話になっている。ワクワクする話だ。ほかの二つの本は日本の中の話だが、ソフトウェアが話の軸になっている。これはオービタルクラウドと似ている。まぁ、読んでみてください。

 

プロジェクトぴあの

プロジェクトぴあの

 

 山本氏の本。この人はsf小説で有名な人らしいが知らなかったので助かった。少女と女装している青年が物語を動かしてゆく。少女は回路を設計したり、核融合炉を自作しようとする面白い人だ。それなのに儲かるから、それで宇宙に行きたいからという理由でアイドルをやっている。こういうのは宇宙飛行士に似ているな。アイドルではないが、宇宙飛行士も国民的英雄とみなされるものだし。彼女の現実に対するスタンスが私のそれと若干似ていてなぜか安心した。やはり好きなものを追及してるだけでいいんだな。

素粒子の状態を記述する積分の関係を述べたりするところ、これは特殊関数でいいのか?ここの疾走感はなかなか現実ではお目にかかれないのでぜひ読んでほしい。少女の周りの人々も面白いが、それぞれの人物に差異がちゃんとあるのがすごいな。物語を書くとはこういうことか。

 

若者を見殺しにする国 私を戦争に向かわせるものは何か

若者を見殺しにする国 私を戦争に向かわせるものは何か

 

 赤木氏の本。景気後退期に青年だったひとはなぜか人生で割を食っていてそれをチャラにするには戦争がいいという内容だったか?いや戦争ぐらいでしかチャラにできないし無責任な彼より上の人をそろそろ隠居させたほうがいいという内容だったか?とにかく地位のある人がノブレスオブリージュを実行していないのでそれに怒っているというのは分かる。私も青年だが若さでいいことなどあったことがない。

しかし、戦争ならインターネットの中でつまり、ソフトウェアの脆弱性をみんなで攻撃してクレジットカード会社や銀行、証券会社を潰そうという動きはlinuxが出始めたころからあると思うし、いまでも続いている。やはり行政は万能ではないし、判断にもゆがみがあるのでベーシックインカムで無条件にお金をばらまいたほうが幸せになるということですね分かります。マイナンバーなどというものを作らせているのだからよくわかると思う。どうせ作るなら暗号化の部分をもっと複雑にしてほしかったし、人に使わせるなら戸籍ではなく今いる住所に届けてほしいものだ。戸籍というのもナンセンスだ。

というわけで、公共投資が糞でかつすべての人の負担な割に割を食うそれで一番とばっちりをうけるのが年功序列上一番立場が弱い青年というわけだ。

戦争に代わる大きな物語はあったほうがいいだろう。haloというゲームでは異星人と他のプレイヤーと協力して戦うという大きな物語があるがそういうものだ。これも戦争か、創作だが。戦争以外の大きな物語か。昔の場合は植民地建設とか共産主義の実現というものだろうがそれではあまり得るものがない。結局陣取り合戦と何ら変わりがない。ここは人類が月や火星で都市を作るとか、ベーシックインカムを徐々に実現させていくとか、いろんな人がアニメを見まくれる環境を作るとかのほうがいいな。つまり敵が存在しない大きな物語だ。こういうのをやってみたいと思わせる本だった。