古書店で見かけた本
リーガルマインドは特別なものではない。人が起こす争い、葛藤に対する知恵なのだ。
章立ては
一章 リーガルマインドとはなにか
二章 規範的価値判断と価値侵害事実の記述
三章 国家賠償訴訟における法と現実
四章 法的判断の本質
五章 子供の現実と子ども法
六章 リーガルマインドの本質と機能 である
人間が原理的になんでもできる以上、法秩序は幻想である。権利や義務というのがいい例だ。しかし人間は他に補完されたり補完したりする存在なのでどのように現実と関わるかを考えることになる。その際の、現実と幻想をつなげる知恵としてリーガルマインドがあるのだろう。法律はもともとあるのではなく、起きてしまった状況にどう対応したか、それでどんな効果があったのかの蓄積で法というのが形成されるのだ。
したがって、気候、おかれた状況によってそれぞれに法的判断は存在するし絶対的な体系というのは存在しえない。行政や裁判官、弁護士が間違うことがあるのはそういったことによるだろう。法というのは様々な社会実験を繰り返してできたと言い換えられるだろう。筆者の問題意識、例えば法律学と現状のデータを組み合わせて考える重要さ、事例だけ集めても答えにならないという当たり前の常識を共有できたかもしれない。
- 作者: フィリップ・ヴァンパリース,Philippe Van Parijs,後藤玲子,齊藤拓
- 出版社/メーカー: 勁草書房
- 発売日: 2009/12/01
- メディア: 単行本
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これは先に大学の図書館で読んだのだが、どうしようか。市場の動向によって賃金が左右される以上、そこに本当の自由があるのか?という問題意識だったように思う。市場が気候条件、その他の人為以外の影響もうけるが貨幣をどう移動するかは人間の判断によるものだ。人間の判断にはバイアスが伴うことが多いので、自他の自由は制限されるだろう。ベーシックインカムはとりあえずお金を配ってそれぞれの意思にゆだねられるので恣意というのをある程度抑えられる。筆者はベーシックインカムはユートピアのようなもので実現は考えていないといっていたが、どうだろう?お金を無条件にばらまくというのはそんなに難しいことだろうか?先のリーガルマインドの問題意識と似ているように思う。